ホーム・アディクト
独りぼっちの駅の鳩。迷子になっちゃったと気づく。
ベンチの下を右往左往。
どちらが地上かわからない。
手持ち無沙汰な駅の鳩。ただあてもなく地面つつく。
食べれるものは食べつくした。
固くて冷たい温度だけ。クチバシ伝ってやってきた。
クッキーくれた丸いおじさん。その足元にひっついてく。
何度か分けてくれたけど、目もくれずにふと立ち上がる。
急に現れた大きいヘビ。みたいなその巣に消えてった。
突然こわくなった鳩。出られないカモと心づく。
諦めちゃダメと鳩胸張る。
ただ明るい方に首を振り、一歩ずつ足を踏みだした。
遠くからやっと射す光。その眩しさに息をつく。
急に目覚めたような心地。
あとはカラダが覚えてるぞ。この方角に飛んでいこう。
そして久しぶりに会えたママ。
「どこ行ってたの」「どこだっけ」
よく覚えてはないんだけど、やっぱりおうちが一番だ。